ペロリ

 この冬は実家の母から電話で、米麹とご飯でおいしい甘酒を造れるからやってみなさいってしきりにお勧めされていたのだけど、近所のセブンイレブンで見つけたコレが、とってもおいしい。大関の甘酒。カップ酒なんて買ったことも飲むことも無い私だけど、これは、アルコール分は1%未満なので胃にも優しい。生姜や蜂蜜も入ってる。なめらかで甘くて丁度よくひんやりしていて、カロリーも137キロカロリー(ごはん軽く一膳より少なめ)。とてもおいしい。ここのところ意味無く仕事頑張りすぎちゃって疲れてとても気分が落ち込んでしまっていた。透明のガラスのビンに紅の文字、向こうにはお米の白。甘いものは人を癒してくれるよ。
 癒しといえば、なぜか「パン」もpnoには凄い癒されアイテム。気に入ってるフランスやドイツ風のパンを売るパン屋さんの、フランスパンとかクルミやレーズンが入った全粒粉のパン。店を出て歩きながら、小さくちぎってもぐもぐ食べると作った人の手がたくさん掛けられていたのがとてもよくわかる味がして、誰も構ってくれないまま、構ってもらわれたくないまま独りでに落ち込んでゆく気持ちに、それだけが、届くような声をかけてくれる感じがして、自分の心なのに手も伸ばせずに、果てしなく落ち込んでくだけだった気持ちの速度がそこで止まるのだ。落ち込んだときにとぼとぼと歩き食いするパンってなんであんなにおいしいんだろう。前世がパン屋の隣の子だったんじゃないかと思うくらい、パンをおいしく感じる。
 もうすっかり大人って呼ばれる歳になって、自分たちの世話を自分たちで焼いて生きていく毎日。だからこそ、時々それができなくなったときに自分じゃない誰かが「手を掛けて作ってくれた」ひとつのパンとか、「お店で買うだけ、つくらなくていい」ワンカップの甘酒、朝の喫茶店でお店の人がサーブしてくれた紅茶までにも、じーんと感謝してしまうのだ。