連休

 眠れない。何かがおかしい。
 連休にすること。
 一日目。にゃは仕事。今日は最寄のパン屋「ぱぴ・ぱん」で食パンを買った。「ぱぴ・ぱん」はフランスのパン屋。そこだけがフランス。店の外をとりまく甘い香り。ささやかなガラスケースの中に飾られたように並ぶ小さいお菓子パン。私の大好きなリュバーブのタルト。壁の木棚に見本のようにしか置かれていない小ぶりの食パン各種類。カウンターの上には丸いフランスパン。籠に裸でささってる、伸ばしたように細いフランスパン。夢にしか出てこないような「フランスの街のパン屋」なんだ。もし明日の朝、ちゃんと起きられたらぱぴぱんの食パンでサンドイッチを作る。部屋の掃除と、洗濯機も回して、顔を洗って10時までには部屋を出て、11時に名古屋空港に着く両親を迎えに行く。どこかでお昼を食べて、そのまま、多治見に有るという陶器の卸の店(ゼクシィ東海版で知った。サイトも見たが欲しくなるような素敵なものが多かったし卸価格で凄く値段が安いのでほとんど個人的に楽しみ)へ、結婚式の引き出物を検討しにゆく。にゃが帰ってきたら皆で和食のまるやへ行き、恒例のひつまぶしを食べる。
 二日目。レンタカーを借りて、常滑半島へ。車ごとフェリーに乗って、海を横切って、鳥羽へゆく。鳥羽で少しだけ観光して、今まではメールと電話だったホテルの担当の人と顔合わせなど。伊勢神宮にも寄って、夕方には三重へ行き、にゃの両親と皆で初顔合わせの食事。名古屋へ戻る。
 三日目。空港まで両親を見送る。
 親をもてなしたり、結婚式の細かいことをつめたり、予約したり、確認事項とか、しなきゃならないことで頭がはちきれそうだ。こうやって箇条書きにしたら簡単に思えるだろうけど、部屋の掃除をして、洗濯をして、片付けて、整えて……そう書いてみたらそれだけって思うだろうけど、たったこれだけの言葉が象徴する作業がどれだけ書き表せない注意深い対応の大きな集約なのかっていうのはできない人には説明しきれないよ! 掃除もちゃんとしたいのに。もっと丁寧に顔のお手入れもしたいのにお風呂をわかして湯船につかるだけで精一杯で、三プロセスある洗顔剤の一種類を抜いて済ませてしまったりするダメな私が毎日毎日居る。今日なんて帰ってきても何をしたらいいのかすでにパニックが始まっているのに目の前の茶碗を洗って、ごはんを作って、おなかもすいて、気分が悪くて、目が冴えて、ひどく眠たいのに眠れない。やりたいって思うことが沢山あってたまんない。どうしてこんな簡単にパニックになってしまうんだろう。鉈で頭をぶち割りたい。割って飛び出した目玉を更に叩き切りでもできたらやっと気持ち良く眠れそうだ。